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PBのクリスマスに欠かせないのが、ドイツの伝統的なクリスマス菓子「シュトーレン」!ドイツ菓子屋さんの多い神戸で育ったので、子供の頃からシュトーレンに馴染みはありましたが、このお菓子が好きになったのはこの職業に就いてから。東京・吉祥寺のスイス・ドイツ菓子の店「ゴッツェ」のシュトーレンを食べて、ウォルフガング・ポール・ゴッツェさんの作るシュトーレンが大好きになりました。それから毎年、我が家のクリスマスにはゴッツェさんのシュトーレンがありました。ゴッツェさんがリタイアされて、残念なことにあのおいしいシュトーレンが食べられなくなってしまったので、「よし、自分でつくろう!」と思い、広島・廿日市の「コンデトライ・フェルダーシェフ」田頭享マイスターのところで、ローマジパンを練り込むタイプのものを教えてもらいました。同時に、フランス菓子とは違う、ドイツ菓子の考え方、基本に触れることができて、とても有意義な時間を過ごしました。田頭さんに教わったシュトーレンに、自分のアタマの中にある自分がおいしいと思うシュトーレンをプラスして、PB流シュトーレンができあがりました。 ポイントはやはり材料の選定。フルーツはイタリア・アグリモンタナ社フリュイ・コンフィをネグリタラムに漬け込んだものを使い、クローブ、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、バニラのスパイスを加えています。そして、焼き加減。素材の味を生地にしみ込ませるように焼いていきます。焼き上がりをバターのお風呂に浸けて、たっぷりの粉糖を振り、ラップで包んだら、1か月以上じっくり寝かせて、バターが生地全体にしっとりと回るのを待ちます。この熟成させる時間も味を大きく左右します。2008年のシュトーレンは、さらにリッチでしっとりした味わいに仕上がるよう改良を重ねました。一年一年、よりおいしくなっていくPBのシュトーレンの歴史をもお楽しみいただきたく思います。 シュトーレンを作ってみて、派手さはないけれど、生地をじっくりと味わう本当にお菓子らしいお菓子、その魅力を実感しました。仕込みがきっちりとしていて、小手先でごまかすことのできない仕事。行きつくところまで行きつくと、菓子作りはこういうお菓子に行きつくのではないかと思っています。シンプルなのに見た目にもそのおいしさが伝わってくる、本物のお菓子です。クラシックなお菓子の良さ、伝えていくことの大切さについて、こういったシュトーレンのようなお菓子を作ることを通して、考えていきたいと思っています。これからも毎年、おいしいシュトーレンを追い求めて、PBのシュトーレンは少しずつヴァージョンアップされていくと思います。ちょっとずつ良くなる。その積み重ねていく歳月と味わいが、今からとても楽しみです。 *シュトーレンのご購入はこちらから承ります。 |
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![]() シュトーレンは、ドイツ東部の古都ドレスデンで誕生しました。1329年の文献にその名が記されていて、もともと新年や収穫祭、皇帝の即位式などの祝事の際に作られていたようです。その後、徐々にクリスマス菓子として定着していきますが、その由来は、(1)イエス=キリストのおくるみの姿やゆりかごの形、(2)東方三博士がキリストを訪ねたときの杖、(3)神父がかける袈裟(シュートル)、(4)坑道(シュトレン)、ドレスデン南方のエルツ山地はヨーロッパ有数の鉱山、(5)表面の粉砂糖をキリスト生誕の日の雪に見立てて、など諸説あるよう。日持ちすることが求められたため、「Dauerbrot(ダウワーブロート)」、つまり時間の経過をともなっておいしくなるパンとも呼ばれています。 発祥の地・ドレスデンのシュトーレンには、「Dresdner Stollen(ドレスドナー・シュトーレン)」という特別な名前が与えられ、それ以外の「Christstollen(クリストシュトーレン)」とは一線を画しています。当時のドレスデンは気候が厳しく材料に乏しい地域で、比較的入手しやすいオレンジやレモンのドライフルーツに、アーモンド、そして近くの貿易都市フランクフルトから送られてくるスパイスを加えて焼き上げていました。この最低限の材料で、特別な日のために最高のお菓子を作ろうとしたことに、大きな意味があります。今となってはとてもシンプルなドレスドナー・シュトーレン、でも当時は、最高の贅沢品だったのです。そして、現在に繋がるすべてのシュトーレンの基礎となっています。 田頭マイスターによると、ドイツでは伝統菓子のすべてに厳密な規定があって、シュトーレンについてもその種類によって規定の配合があるそうです。一例をあげると、ドレスドナー・シュトーレンは、粉100%に対して最低バター20%(純バター16.4%)、マーガリン20%(純油脂16%)、ドライフルーツ70%、アーモンド10%が入ること。一般的なシュトーレンはバター30%(またはマーガリン30.8%)、ドライフルーツが60%、バターの多いブッター・シュトーレンはバター40%(または純バター32.8%)、ドライフルーツ70%、バター以外の油脂は入ってはいけません。こういった細かい規定はいかにも伝統を固守するドイツ人らしくて、おもしろいなあと思いました。 ![]() ![]() ![]() |
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ドイツのクリスマスは、11月の最終日曜日から始まるクリスマスマーケット「Weihnachtsmarkt(ヴァイナハツマルクト)」で幕を開けます。ドレスデンのクリスマスマーケットは1434年から570年以上の歴史を誇っていて、規模も最大級。駅から延びるプラーガー通りを行ったアルトマルクト広場がメイン会場となります。中央には大きなクリスマスツリーとともにクリスマスピラミッドが。ロウソクの熱で頂上のプロペラが回転すると、格段の台に飾られた人形が動く仕組みです。マーケットには、クリスマスオーナメント、クッキー、チョコレート、シュトーレン、ロウソク、赤ワインにスパイスを加えて煮たグリューワイン、ソーセージヴェルストの屋台が所狭しと並び、広場の角には簡易遊園地やアイスリンクも設営され、子供達の楽しげな歓声が響きます。クリスマスを待つ1か月は、「Advent(アドヴェント)」待降節と呼ばれます。ラテン語の「Adventus」(来臨)の意味で、キリストの誕生、すなわち神の子の来臨を待つ心をあらわしています。モミの木やなどの常緑樹の枝を環状に編んだリースに4本のロウソクを立てた「Adventskranz(アドヴェンツクランツ)」には、日曜ごとに1本ずつロウソクに火を灯していきます。そして4つのロウソクに火が灯るとクリスマスはすぐそこ。イヴの日にマーケットは終了。街には静寂が訪れ、厳かにクリスマスを迎えます。さまざまな準備と行事を行っていくアドヴェントの期間、シュトーレンを熟成させる期間と重なっていることに気付かれた方も多いことと思います。アドヴェントに入るとお茶の時間に添えられるシュトーレン。熟成していく過程をも楽しむのですね。ドイツのクリスマスに欠かせないお菓子なのです。 |
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